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■■ 現代にも残る「藤原」パワー恐るべし…

 前回は名字の分布パターンのお話しをしましたが、各都道府県の名字ベ
 ストテンの中には「佐藤さん」「加藤さん」「伊藤さん」「斉藤さん」
 など「○藤さん」が多いですよね。実はこれらの名字はみんな、元をた
 どれば藤原氏なのです。

 ご存じのように、藤原氏は平安時代に全盛を極め、ほとんどの役職を独
 占していましたから「どんな藤原さんなのか」区別をつける必要があっ
 たのでしょう。例えば…

  左衛門尉や「佐(すけ」など官職名から生まれた「佐藤」さん。
  伊勢神宮の斎宮頭を務めた「斎藤」さん。
  木工寮の官僚が称した「工藤」さん。
  加賀の藤原氏「加藤」さん。
  伊勢の藤原氏「伊藤」さん。
  尾張の藤原氏「尾藤」さん。
  佐渡の藤原氏「佐藤」さん。
  大江氏+藤原氏で「江藤」さん。
  安倍氏+藤原氏で「安藤」さん。

 …といった風です。

 ちなみに「斎藤」さんは東日本には多いのですが、西日本では「斉藤」
 さんが圧倒的です。また、これらの名字はすべて下に「藤」が付くパタ
 ーンですが、では「藤田さん」「藤森さん」など頭に藤が付く名字はど
 ういう由来があるのでしょう?
 …ごめんなさい。こちらはまだお調べできていません。わかり次第、書
 かせていただきますね。

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■おまけの雑学■
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 前回「鹿児島・宮崎の南部では「〜本」が「〜元」に変化する特徴があ
 り「山本」さんが「山元」さんになるのです」と書かせていただきまし
 たが、これにはエピソードが付いています。
 西郷隆盛が坂本龍馬に宛てた手紙で、「坂元龍馬」と書いてあるものが
 あるそうですよ。


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■■ だって困るでしょう?そんなに長いと…

 以前、アラブ諸国では代々父親の系譜を連ねていくことを誇りとしてい
 る、とお話ししましたが、家系や先祖にこだわる国、洗礼名がある国な
 どでは、驚くほど長い名前を持つ人たちがいます。

 有名なところでは画家のピカソ。彼の本当の名前は「パブロ・ディエゴ・
 ホセ・フランシスコ・デ・パウラ・ファン・ネピムセーノ・マリア・デ・
 ロス・レメディネス・シオウリアーノ・サンティシマ・トリニダード・
 ルイス・イ・ピカソ」というのだそうです。

 でもこれよりもっとすごい名前の人もいます。1985年生まれの、あるイ
 ギリス女性は洗礼名が139もあるそうです。また、1984年生まれの、あ
 るアメリカ男性はファーストネームだけで9000字。全部読むのに5時間
 かかるそうです。
 学校の卒業式で一学年みんなの名前を読み上げても、そんなにかかりま
 せんよね…。

 では、日本の長い名前は、というと5文字の名字が最高のようです。
 一つは山口県の「勘解由小路」(かでのこうじ)さん。ご想像通り元は
 お公家さんです。作家の武者小路実篤のお母さんは、この勘解由小路家
 の出身だそうです。

 もう一つは埼玉県の「左衛門三郎」(さえもんさぶろう)さん。左衛門
 というのは朝廷の下級官僚職でした。