名刺に使う名前のローマ字表記について

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 ローマ字表記の基本

ローマ字表記には「ヘボン式」「訓令式」「日本式」等の種類がありますが、 パスポートの名前の表記には、基本的に「ヘボン式」が用いられます。


 ヘボン式と訓令式、日本式の違い

ヘボン式では「し」→「SHI」、「ち」→「CHI」、「つ」→「TSU」
「ふ」→「FU」、「しゃ」→「SHA」、「ちゃ」→「CHA」
これに対して「訓令式」「日本式」では
「し」→「SI」、「ち」→「TI」、「つ」→「TU」
「ふ」→「HU」、「しゃ」→「SYA」、「ちゃ」→「TYA」

以下、ヘボン式表記に関する注意です。


 促音:「っ」は子音を重ねる

「新田」→「NITTA」、「吉川」→「KIKKAWA」
ただし「CH」の前では「T」を入れるので、「八丁」→「HATCHO」


 撥音:「ん」の表記の特例

B,M,P の前には「N」の代わりに「M」を入れる。
「丹波」→「TAMBA」、本間「HOMMA」


 ヘボン式の場合、長音に「O」や「U」は入れない

※末尾以外のふりがなを「お」としたものは「O」を入れない
大野(おおの)→ ONO 大阪(おおさか)→ OSAKA
ただし、これだと、新たな問題も生じる。
「大江」を「OHE」とすると「オヘ」、「大分」を「OHITA」にすると「オヒタ」にも読めてしまう。

※末尾部分のふりがなを「お」としたものは「O」と綴る(長音では無い)
妹尾(せのお)→ SENOO 広尾(ひろお)→ HIROO

※末尾であるか否かに関わらず、ふりがなを「う」としたものは「U」を入れない
狩野(かのう)→ KANO 中條(ちゅうじょう)→ CHUJO


 パスポートに使用する表記については、「ヘボン式によらないローマ字表記」も認められる

「おお」は「O」「OH」「OO」
「おう」は「O」「OH」「OU」を選べる。

「大野」の場合「ONO」または「OHNO」「OONO」、
「伊藤」の場合「ITO」または「ITOH」「ITOU」
「陽子」の場合「YOKO」または「YOHKO」「YOUKO」
「優子」の場合「YUKO」「YUUKO」を選ぶことが出来る。

「ジョウジ」を「GEORGE」と英語の読み方を当てることも可能。
(ただし、その読みが日常的に使われていることの証明が必要。)


 ヘボン式以外の表記をパスポートで使用する場合の注意

姓は必ず家族で統一すること。
また、初回に申請した内容に統一し、途中で変更出来ない。
パスポートと航空券の綴りが一つでも違っていると飛行機に搭乗できない。
その他、渡航関係の書類や海外銀行口座や、クレジットカードの名前表記も統一する必要がある。


 地名や駅名のローマ字表記

「O」の上にマクロン(横棒)が付けられている事もあるが、(駅名、地名などに多い)
※この形式はパスポートでは使用できない。

その他、「非ヘボン式」のローマ字表記について、詳しくはパスポート申請の際に旅券事務所にお問い合わせください。
パスポートで、長音表記の「OH」が認められるようになったのは2000年4月のことなので、今後また見直される可能性もあります。 ただし、名刺でのローマ字表記では厳密な規則はありませんから、お客様のご要望を優先させて頂きます。 例えば、「子」の表記に「CO」を用いて「愛子」→「AICO」となさる方もいらっしゃいます。


 姓名の順

世界の人々の名前の形式は、「名−姓」のもの、「姓−名」のもの、 「名」のみのもの、自分の「名」と親の「名」を並べて個人の名称とするものなど多様であり、 それぞれが使われる社会の文化や歴史を背景として成立したものです。 世界の中で、日本のほか、中国、韓国、ベトナムなどアジアの数か国と、 欧米ではハンガリーで「姓−名」の形式が用いられています。
参考までに、2000年の国語審議に於いて、「姓名のローマ字表記についての考え方」についての下記の答弁がありました。

【日本人の姓名については、ローマ字表記においても「姓−名」の順(例えば 山田太郎→Yamada Taro)とすることが望ましい。 なお、従来の慣習に基づく誤解を防ぐために、姓をすべて大文字とする(YAMADA Taro)、 姓と名の間にコンマを打つ(Yamada,Taro)などの方法で、「姓−名」の構造を示すことも考えられよう。】
…ということですが、名刺にお入れするローマ字でのご要望は、現状では圧倒的に「Taro Yamada」など「名−姓」の順が多いです。

ただし、私たちのよく知るところでは、中国や韓国では、海外に向けても「姓-名」の順で通しています。 (※毛沢東の英語名は Mao Zedong)



英語表記などに関するご相談にはお応えできかねますのでメールでのご連絡などはご遠慮くださいますようお願い申し上げます。


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